シンポジウム
シンポジウム1:
医用画像再構成の基礎と新しい展開
7月26日(木)16:25-17:55 A会場(講堂)
座長:
田島 英朗(量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所)
[概要]
近年の医用画像装置の進歩は目覚ましく,特に体の中の様子を3次元的に観察できるCT・MRI・PET・SPECTなどのイメージング装置は,患者個々人の病態を細かく調べることができ,個別化医療の実現など医療診断の質の向上に大きく貢献しています.撮像された医用画像を元にしたコンピュータ画像診断支援の研究も盛んに行われていますが,本シンポジウムでは,今一度イメージングの手法自体に立ち返って,医用画像装置で測定された生の情報から画像を再構成するまでの基礎的な原理や方法,そして,現在注目されている画像再構成の手法や新しい展開について,画像再構成をご専門とされている諸先生方よりご講演いただきます.
シンポジウム2:
ディープラーニング:基礎理論から応用へ
7月27日(金)10:30-12:00 A会場(講堂)
座長:
庄野 逸(電気通信大学)
[概要]
深層学習(ディープラーニング)は,画像処理,音声処理,言語処理といった分野を中心に現在の人工知能技術を支える要素技術の地位を確立しつつある.その応用範囲は識別,検出といったセンサ情報を集約する情報処理課題に留まらず,セグメンテーション,データ生成と言った能動的に情報を推定するような情報処理課題にも拡大しつつある.本シンポジウムでは,このディープラーニングに関して,基本的な部分に焦点をあて,基礎理論から生成モデルなどに至るまでの話題と現在の研究動向などを提供することを目的としている.講演者には,第一線で活躍している新進気鋭の若手に依頼を行っており,基本的な部分からの視点で,今後の技術発展の展望などを講演していただく予定である.ディープラーニングの実装を始めた初学者の方,どう発展させて良いか悩んでおられる方等が,本講演で新たな視点を発見していただければ幸いである.
シンポジウム3:
AI画像処理の応用事例と人工知能デモクラシーについて
7月27日(金)13:30-15:00 A会場(講堂)
座長:
中田 典生(東京慈恵会医科大学)
講演1
大腸内視鏡画像にAI画像処理を応用したリアルタイム内視鏡画像診断支援システムの開発
山田 真善(国立がん研究センター中央病院 内視鏡科/国立がん研究センター研究所 がん分子修飾制御学分野)
斎藤 豊(国立がん研究センター中央病院 内視鏡科)
上條 憲一(日本電気株式会社 未来都市づくり推進本部)
今岡 仁(日本電気株式会社 バイオメトリクス研究所)
髙橋 郁磨(日本電気株式会社 未来都市づくり推進本部)
近藤 裕子(国立がん研究センター研究所 がん分子修飾制御学分野)
山田 滋美(国立がん研究センター研究所 がん分子修飾制御学分野)
浜本 隆二(国立がん研究センター研究所 がん分子修飾制御学分野)
講演4
Democratizing AI in Radiology
(放射線科における人工知能デモクラシーについて)
George Shih(MD.ai.Inc.(Department of Radiology, Cornell University))
シンポジウム4:
医用画像を活用した3Dバーチャル手術:ソフト開発から,臨床評価,医学教育までとこれからの未来
7月27日(金)15:15-16:45 A会場(講堂)
世話人:
大城 幸雄(筑波大学医学医療系 消化器外科)
座長:
北坂 孝幸(愛知工業大学情報科学部)
[概要]
医用画像を活用したコンピュータ外科をはじめとするICT技術の医療への応用は,外科,内科,放射線科などの幅広い診断,治療になくてはならないものになっている.いまや医療技術は,画像処理,新規計測法,機械学習,深層学習,制御工学,ロボティクスなどの異種の刺激と融合により高度で多彩な変化を遂げている.医学教育では,実際の患者を対象にしたトレーニングから,人体構造と機能を模したシミュレータやバーチャル教材でトレーニングを行うシミュレーション教育の重要性が高まっている.
本シンポジウムでは,「つくば」だからこそ集結可能な多様な分野の専門家たちで構成されたリサーチユニットのこれまでの活動成果についての講演と,これからの医療技術や医学教育の開拓,未来について,それぞれ医学,システム情報,企業の専門の立ち位置をつないで発展的シナリオを創造していく.
Ⅱ.総合討論
シンポジウム5:
光断層イメージングの新しい展開
7月26日(木)16:25-17:55 B会場(国際会議室)
座長:
星 詳子(浜松医科大学)
[概要]
光イメージング技術は非侵襲で,生きている細胞や組織の中で生じている遺伝子やタンパク質などの分子レベルのプロセスの追跡を可能にした.しかし,これらの光技術の対象は,顕微鏡下で直進光を観察できる細胞や組織,皮膚,マウスなどの小動物に限られている.また,臨床応用が進んでいる光干渉断層法(OCT)も検出可能深度は数ミリメーターである.これは,主として生体内で光が強く散乱されることに起因しているが,ヒト生体深部のイメージングは,生体組織に対して比較的高い透過性を有する近赤外線を照射し,検出された散乱光から数理的処理により生体の機能・構造情報を抽出する拡散光トモグラフィー(DOT)や,光音響効果によって発生した超音波を検出する光音響トモグラフィー(PAT)などによって可能である.本シンポジウムではパルス光を光源とするtime-domain DOT,定常光を光源とするCW-DOT,蛍光をイメージングするFluorescence DOT,PATを紹介し,これらの医用画像法としての展望について議論する.