シンポジウム5 講演3
組織深部拡散蛍光トモグラフィー:時間領域からのアプローチ
演者:
西村 吾朗(北海道大学 電子科学研究所)
[抄録]
光学的手法の中で蛍光法は最も感度の高いものとされているが,深さ数ミリより深い生体組織内の蛍光を観測しイメージングするのは極めて難しい.これは組織による強い光散乱と吸収,さらに非特異的な背景光が蛍光の観測を妨げるためである.これらに対し,散乱体の中での蛍光の伝搬をモデル化し,その逆問題を解くことにより3次元の画像を得る手法を拡散蛍光トモグラフィーと呼ぶ.本講演では,パルス光を用い蛍光を時間領域から計測し,時間応答より蛍光画像を3次元再構成する手法を解説するとともに,今後を展望する.