シンポジウム5 講演2

階層ベイズ拡散光トモグラフィによるタスク時と安静時の脳活動計測

演者:
下川 丈明(ATR脳情報解析研究所)

[抄録]
拡散光トモグラフィー(DOT)は,近赤外分光法(NIRS)による非侵襲生体計測を発展させたイメージング法である.我々は,連続光DOTによる脳機能計測を対象として,階層ベイズDOT (HB-DOT) 法を提案してきた. HB-DOT法は,大脳皮質の活動を高い空間分解能で推定するだけでなく,NIRS計測においてアーチファクト信号を引き起こす頭皮血流変化を同時推定することができる.我々はその有効性をタスク誘発脳活動の可視化において確かめてきた(O. Yamashita et al., NeuroImage 135 (2016) 287-299).現在,我々は安静時の脳活動計測におけるHB-DOT法の有効性を調べている.DOTから得られた領野間の機能的結合行列とfMRIから得られた機能的結合行列とを比較することによってその性能を評価した結果について紹介する.

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